2026/08/25

「母乳やミルクの飲みが悪い」「すぐに疲れて眠ってしまう」「離乳食が始まっても食べるのが遅い」など、授乳や離乳食についてのお悩みはありませんか?
ラッチオンの仕方を見直したり、授乳や食事時の姿勢を変えてみたりしても改善が見られない場合は、お子さまの「舌の動き」が関係しているかもしれません。
今回は、舌の動きに影響を及ぼすことがある「舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)」について、ご紹介します。

舌小帯短縮症は、舌の裏側の付け根部分にある筋(舌小帯) に、生まれつき異常がある(短い・厚い・硬いなど)ことで、舌の動きが制限されてしまう状態のことです。
「舌癒着症」や「つれ舌」とも呼ばれます。

赤ちゃんが母乳やミルクを上手に飲むためには「吸着・吸啜・嚥下」の3つ動きが協調しておこなわれることが大切です。
1.吸着(きゅうちゃく/ラッチオン)
口唇と舌で乳首と輪郭部、哺乳瓶の吸い口をしっかりとくわえ、密着した状態を保ちます。舌は前方へと伸びて乳首を支えます。
2.吸啜(きゅうてつ)
舌を乳首に沿わせながら、あごとともに上下に動かすことで、口腔内に陰圧を作り、母乳やミルクを力強く吸引します。
3.嚥下(えんげ)
口腔内に溜まった母乳やミルクを食道へと送り込みます。

舌小帯短縮症などによって舌の動きが制限される場合、以下のような影響が見られることがあります。

舌の動きは、咀嚼・嚥下、発音、呼吸、歯並びなど、さまざまなお口の機能と深く関わっています。舌小帯短縮症により舌の動きが制限されることで、これらの機能に影響を及ぼすことがあります。
舌小帯短縮症などの口腔機能の評価は、各自治体の乳幼児健診や小児科のほか、歯科医院でもおこなっています。
お子さんの発育にも関わる事柄なため、気になる様子がある場合は早めに相談することが大切です。

舌の動く範囲は成長とともに変化します。症状が軽度な場合は、まずは舌のトレーニングをおこないながら、様子を見ることもあります。
例えば、次のようなトレーニング方法があります。
舌のトレーニングを継続的におこなうことで、舌小帯を伸ばし、舌の可動域を広げていきます。

哺乳や食事、発音に支障が大きい場合は、舌小帯を切り離す「舌小帯切開術(舌小帯形成術)」を検討することがあります。
例えば、舌小帯が短いことで十分に哺乳ができない乳児に対して、授乳状況や舌の動きなどを確認したうえで、処置をおこなうケースもあります。
また、処置をおこなった結果、舌の動きが改善しても、長年の舌の使い方の癖が残っていることがあります。そのため、術後に舌のトレーニングをおこない、舌やお口周りの筋肉の正しい使い方を身につけるリハビリテーションが必要になることがあります。
お子様の授乳や食事に関するお悩みは、舌小帯だけが原因とは限りません。
など、他のさまざまな要因が関係しているかもしれません。
当院には、お口の機能の発達をサポートする「口育士」が在籍しています。舌を動かす、噛む、飲み込むといったお口の使い方を確認し、歯科医師と連携しながらお子様に応じたサポートをおこないます。
「授乳がうまくいかない」
「離乳食を食べるのに時間がかかる」
などのお悩みがある場合は、一度ご相談ください。
お子さまのお口の状態を確認しながら、成長に合わせたサポートをご提案します。
次回は、食事中の姿勢が咀嚼や嚥下などのお口の機能にどのように関わるのか、そして当院でおこなっているっている姿勢・運動指導についてご紹介します。
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