2026/01/27

「前よりも歯が少し長くなってきた気がする」
「指で押すと歯が動いているように感じる」
40代を迎えた女性の方から、こうしたお悩みを聞くことが増えてきました。実はこの年代は、歯を失うリスクが一気に高まり始める時期でもあります。

厚生労働省の令和4年 歯科疾患実態調査結果(PDF)の「1人あたりの平均喪失歯数」を見ると、40代後半になると歯を失う経験をする人が増えていることが読み取れます。
なお、歯が抜ける原因Top3は「1位:歯周病、2位:虫歯、3位:破折(歯の折れ・割れ)」です。特に1位の歯周病は、目立った自覚症状がないまま進行することが多く、気付いたころには歯を支える骨(歯槽骨)が大きく失われており「抜歯しか選択肢がない」という状態になることも珍しくありません。

また、同調査結果の「20 本以上の歯を有する者の数及び割合」を見ると、女性は60代後半から急激に割合が減っていることが分かります。
これは、女性特有の「更年期」が大きく影響しています。
更年期とは、閉経前後の約10年間を指します。閉経の時期には個人差がありますが、平均すると50歳前後で、45歳頃から女性ホルモンの一つ「エストロゲン」が減少していきます。エストロゲンには骨の吸収を抑え、骨形成を促す働きがあるため、分泌量が減ると骨が脆くなりやすくなります。
それは、歯を支える骨(歯槽骨)も例外ではありません。
また、加齢により唾液の分泌量が減少すると、虫歯・歯周病のリスクが高まります。唾液には、細菌を洗い流して繁殖を抑えたり、歯を修復(再石灰化)したりする働きがあるためです。
この2つの要素が重なることで、40代後半以降の女性が歯周病になると、歯槽骨が溶けるスピードが早くなり、歯が抜けやすくなります。

虫歯や歯周病は、誰でもかかる可能性があり、治療後も再発しやすいという特徴があります。
実際に、予防対策を行わなければ1年以内に再発するケースも少なくありません。
特に奥歯は、形が複雑で歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすいため、奥歯から歯を失う方が多いです。抜けてしまった歯や失われた歯槽骨は、元に戻ることはありません。

お口のケアは早ければ早いほど良いですが、特に40代を迎えたら、意識を一段階高めることが大切です。
これらを習慣化することで、将来の「歯を失うリスク」を大きく下げることができます。

「痛くなってから歯医者に行く」のではなく、トラブルが起きる前に通うメンテナンス場所として、歯科医院をぜひ活用してください。40代からの定期受診は、10年後・20年後の歯だけではなく、生活の質を維持するためにも欠かせない予防策です。
気になる症状がある方も、特に症状がない方も、ぜひ一度、当院へお口の状態をチェックしに来てください。
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